数学B · UNIT GUIDE

統計的な推測

定義から解法、演習、動画までを一つの順序で確認します。

この単元で身につけること

確率変数と確率分布を母集団と標本の橋渡しに使い、二項分布・正規分布・標本平均の分布から、推定と仮説検定の結論をその意味と限界を含めて説明できるようになる。

核となる定義・公式

確率変数の期待値と分散

E(X)=∑xkpk,V(X)=E(X2)−{E(X)}2E(X)=\sum x_kp_k,\quad V(X)=E(X^2)-\{E(X)\}^2

分散は「2 乗の期待値 − 期待値の 2 乗」で計算すると速い。

二項分布

X∼B(n,p): E(X)=np,V(X)=np(1−p)X\sim B(n,p):\ E(X)=np,\quad V(X)=np(1-p)

独立な n 回の試行で成功回数 X を数える。n が大きいと正規分布で近似できる。

正規分布と標準化

X∼N(μ,σ2) ⇒ Z=X−μσ∼N(0,1)X\sim N(\mu,\sigma^2)\ \Rightarrow\ Z=\frac{X-\mu}{\sigma}\sim N(0,1)

区間の確率は標準化してから正規分布表を読む。表は 0 から z までの確率を与える。

標本平均の分布

E(Xˉ)=μ,σ(Xˉ)=σnE(\bar{X})=\mu,\quad \sigma(\bar{X})=\frac{\sigma}{\sqrt{n}}

n が大きければ標本平均は近似的に正規分布に従う。ばらつきは √n 分の 1 に縮む。

母平均・母比率の 95% 信頼区間

xˉ±1.96σn,p^±1.96p^(1−p^)n\bar{x}\pm1.96\frac{\sigma}{\sqrt{n}},\quad \hat{p}\pm1.96\sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n}}

標本が十分大きいときの正規近似による形。幅は √n に反比例して縮む。

仮説検定(両側・5%)

z=p^−p0p0(1−p0)/n,∣z∣>1.96 なら棄却z=\frac{\hat{p}-p_0}{\sqrt{p_0(1-p_0)/n}},\quad |z|>1.96\ \text{なら棄却}

帰無仮説のもとで標準化し、棄却域に入るかで判断する。母平均なら分母は σ/√n。

典型解法とつまずきポイント

確率変数を言葉で定義する

何を 1 回の試行とし、何を成功と数えるかを決めてから分布(二項か正規か)を選ぶ。表・裏、当たり・はずれのように 2 値なら二項分布。

標準化 → 表 → 差、の 3 段

区間 a ≦ X ≦ b の確率は、両端を z に直し、表の値を引く。負の z は対称性で正の値に読み替える。標本平均なら標準偏差は σ/√n を使う。

推定は「標本の値 ± 幅」で組む

標本平均(または標本比率)を中心に、1.96 × 標準偏差を足し引きする。n を 4 倍にすると幅は半分、という感覚を持つ。

検定は結論の言い方まで決める

帰無仮説・対立仮説・有意水準・棄却域の順に書き、z を計算して棄却域に入るか判断する。棄却できないときは「差があるとはいえない」であり「差がない」ではない。

つまずきチェック

大学入試での出題傾向

記述統計 → 確率分布 → 標本平均の分布 → 推定・検定、という順序で積み上がる単元。入試や共通テストでは公式代入だけでなく、標本の大きさが結論に与える影響や、結論の範囲(何がいえて何がいえないか)を文章で判断する設問へ発展する。

出題傾向は公式公開問題の構造分析を自分の言葉で要約し、問題文・解答の原文は使用していません。

関連する演習問題

関連する動画

「二項分布の期待値と分散」の問題画面から、解説動画へ進めます。